地鶏とブロイラーの違い

地鶏とは元々日本に生息していた鶏の血統にある鶏の総称です。
ブロイラーとは人間が食用に生産効率を重視して品種改良した鶏の総称です。

地鶏

地鶏

地鶏とは

「地鶏」という名称は元々、定義が曖昧ななまま使用されていました。
地元で飼育された鶏、地面で飼育された鶏(ゲージ飼いをしてない)を地鶏と呼ぶ考えもありました。
こうしてブロイラー等も地鶏として販売されると、飼育にブロイラーの数倍のコストがかかる地鶏の生産農家の営業機会の遺失や販売価格の 低下につながるという問題、消費者に誤解を与えるといった問題を解決する為にJAS(日本農林規格)によって定義が定められ、平成12年6月1日 から特定JASマークとして施行されました。

JASによる地鶏の定義

  • 日本固有の在来種の血液が50%以上以上あるもので出生証明ができる事※
  • 孵化後80日以上飼育している事
  • 孵化28日目以降、平飼いにて飼育されている事
  • 孵化28日目以降、1㎡あたり10羽以内の環境にて飼育されている事

※日本固有の在来種とは明治時代迄(1912年7月30日)に定着して飼育、生息していたものを言います。

JASによる地鶏の定義する条件を満たしたみやざき地頭鶏

ブロイラー

ブロイラーとは

ブロイラーとは孵化後、短期間に出荷できるように品種改良された鶏の総称です。
品種名としてはアーバーエーカー・チャンキー・コッブがブロイラーにあたります。
ブロイラーは孵化して出荷まで50~55日程度で出荷でき、生産効率を重要視した品種改良、飼育手法をとっています。
※フライドチキン等で利用する一部のブロイラーは40日程度で出荷しています。

ブロイラーの飼育

ブロイラーは飼料効率を上げる為、養鶏場の飼育数効率化の為に過密状態で飼育がおこなわれます。
概ね、1㎡あたり14~16羽程度の鶏の飼育を行っています。
また、摂食行動の活発化を図る為に殆どの養鶏場では光線管理を行っています。
夜間でも養鶏場内の照明を明るくし、飼料摂食を促進させます。

みやざき地頭鶏とは

地頭鶏(じとっこ)とは、日本にもともといた在来種で宮崎県や鹿児島県の霧島山麗で古くから飼育されてきました。あまりに美味しい鶏だったために、明治時代にこの鶏を飼育している農家が藩城主の地頭職に献上していたので、いつしか地元では地頭鶏と呼ばれるようになったと言われています。繁殖が難しいために当時から生産羽数が非常に少なく、限られた農家でしか飼育されていませんでした。そのため1943年(昭和18年)には固定天然記念物として文部科学省から指定を受けています。

この宮崎の地域性を持った地頭鶏の美味しさをより多くの方にお届けするため、1985年に宮崎県の畜産試験場で、「みやざき地鶏」の開発が始まりました。はじめに交配様式が決まったのは1991年のことでした。当時は希望農家を募り、わずか9件の農家において1万羽のフィールド試験が始まりました。しかし試験はとても困難で、産卵率や白色羽装の出現率が多いなどの問題点が見つかり、新たな交配様式が再検討されました。

1998年には熊本県・大分県・宮崎県で共同開発した新たな地鶏、「九州ロード」が誕生しました。この産卵率高い「九州ロード」の雌と大型の「劣勢白色プリマスロック」と「地頭鶏」を掛け合わせた雄を三元交配方式で掛け合わせ、長年の開発の結果ついに誕生したのが「みやざき地鶏」です。

2004年には他の商品と差別化するため、「みやざき地鶏」から「みやざき地頭鶏(じとっこ)」と改名しました。地頭鶏(じとっこ)は宮崎県によって親鳥が管理されており、宮崎県内でも限られた農家でのみ生産が許可されていて、2015年の出荷羽数は約70万羽だったことから「幻の地鶏」とも言われています。

開発の成果や徹底した品質管理のおかげで2008年に「みやざき地頭鶏」は特許庁から商標登録を受け、宮崎ブランド推進本部から商品ブランド産地認定証を受けました。さらに同年に開催された『地鶏・銘柄鶏食味コンテスト』では優秀賞を獲得し、名実ともに宮崎を代表する地鶏となりました。

みやざき地頭鶏の飼育

みやざき地頭鶏の飼育

「地鶏」の定義はJASにて決められていますが、みやざき地頭鶏はその名称を使用するにあたり、より厳しい基準を設けています。

  • 宮崎県の認可を受けた生産指定農場にて飼育している事
  • 育雛期間を含めて全期間平飼いである事
  • オスは120日以上、メスは150日以上飼育して出荷する事
  • 養鶏場の飼育は1㎡あたり2羽以下の飼育で育てる事

みやざき地頭鶏の特色

みやざき地頭鶏は宮崎の大自然の中で可能な限りストレスを与えず、自由に運動できる環境にて育てています。
引き締まって旨味の凝縮されたその肉は炭火焼きを始め、焼き鳥、タタキに最適です。
歯ごたえたっぷりの肉は食べた人を魅了します。

みやざき地頭鶏の炭火焼き

日南市の気候

日照時間が全国トップレベルの日南市海岸

日南市の平野部では日照時間が全国トップレベルで2200時間を超えます。
また、山間部は全国最多雨地域です。更に海岸沿いにある為、年中吹く海風が豊富なミネラル分を運んでくれます。
陽が長く降り注ぎ、雨が土壌を育て、海風が運んでくるミネラル分が全ての動植物に恩恵を与えます。
全国的にも特異であり、極めて希少な気候条件を満たす最高の環境が日南にはあります。